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執筆者の写真院長 原 則行

オスグッド病①診断と治療

更新日:2020年7月12日

膝の前面、膝蓋骨の少し下方の盛り上がったところ(脛骨結節)に痛みと腫れを生じます。発症の誘因として、発育急進期に膝周囲における骨の長軸成長と筋、腱の伸張のアンバランスが挙げられます。発育急進期は女子で11才前後、男子で13才頃。概ね10~14歳、この時期の中学生に多く発症しています。


膝を伸ばす動きに伴い、大腿前面にある大腿四頭筋が収縮し、脛骨結節が引っ張られます。成長期においてはこの脛骨結節部の骨が未成熟で弱いため、繰り返し引っ張られることで傷ついたり、剥離したりします。これがオスグッド病です。

初期であれば短期間の運動制限で治ります。けれど進行の度合いよっては、一定期間の安静、装具療法などが必要となる場合も。また放置などにより剥離部が骨小骨として残存すると、成人になってからも疼痛が残り手術的治療を要するケースもあります。できるだけ初期での対応することが大切です。


問診、触診、X線撮影で診断を確定

  • 問診:スポーツの有無・頻度など、年齢、性別

  • 触診:疼痛部の確認

  • X線撮影:脛骨粗面部における軟骨性の膨隆、骨化核の分離・遊離および不整像の確認

以上で診断を確定します。


早期の段階での休養が早期復帰につながる

  • 部活動などにおける運動量の軽減、あるいは休養

という脛骨粗面に負荷を与えないための活動制限=保存療法が第1選択です。

炎症症状が強い場合は、

  • 消炎剤含有の湿布や軟膏の使用

  • アイシング 

など炎症症状を鎮める処置を採用します。

いずれにしても早期の段階での適切な処置が、早期回復・早期復帰につながると言われています。

痛みが出たら我慢をせず、できるだけ早めに専門医に相談してください。



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