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ランニングと腸脛靭帯炎

長距離ランナーに多く見られるスポーツ障害

ランニング中に膝の外側が痛む場合、腸脛靭帯炎が考えられます。


ランニングを始めた初心者、練習量を増やした長距離選手、マラソン大会に頻繁に参加するようになった方などが発症しやすい傾向にあります。

ランナーに多く見られるため、別名ランナー膝とも呼ばれます。


腸脛靭帯炎は、膝の屈伸を繰り返す運動によって外側上顆(がいそくじょうか)という大腿骨の出っ張りと腸脛靭帯が摩擦を起こすことで発症します。


ランニング後に十分な休息・回復に努めれば、重症化する可能性は低いです。

けれど休息が不十分な状態でランニングを続ければ、炎症箇所にダメージが蓄積してしまい、次第に歩行時や安静時にも膝の外側が痛むように

悪化させる前、早い段階での診断・治療が望まれます。


診断は医師が徒手検査法で行います。膝の上部外側を押しながら膝を曲げた状態から伸ばしてゆくと、痛みが出るのが特徴です。


左写真の通り腸脛靭帯はX線には映りませんが、骨の状態を確認することが重要です。

膝の外側の痛み全てが腸脛靭帯炎とは限りません

中高生のスポーツ選手ですと疲労骨折、中高年ランナーなら半月板損傷の可能性もあり得ます。


いわずもがなでしょうが、疾病によって治療の方法は異なります。


ご自身で判断をせず、スポーツに精通した医療機関で検査を行い、正確に識別することが重要です。



ランニングの再開は痛みや炎症が治まってから


腸脛靭帯炎と診断されたら、ひとまずランニングを休止し安静を心がけましょう。

局所を冷却や湿布薬などでケアし、炎症や痛みを鎮静化させます。

痛みが強い場合は局所注射などで治療することもあります。

痛みが治まってきたら、ランニングを再開し、徐々に距離を増やします


内反膝や回内足を認める場合には、足底板(インソール)の作成やテーピング療法で、腸脛靭帯への負荷を軽減します。


ストレッチで腸脛靭帯の柔軟性を高め再発を予防


腸脛靭帯炎の治療には、ストレッチの運動療法が欠かせません。

ストレッチで腸脛靭帯の柔軟性を高めることで、外側上顆との摩擦抵抗が低くなり炎症を改善。同時に再発を防ぐ効果も期待できます。


ランニングされる方は下記のような動画を参考に、予防に取り組んではいかがでしょう。


なかなか改善されない場合、超音波などを応用した医療機器による物理療法、手術療法などの選択肢があります。

まれにランナーでなくても腸脛靭帯炎を発症される方もおられます。

膝に痛みを感じたら、できるだけ早い段階で整形外科を受診していただきたいと思います。

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