関節の軟骨がすり減ることで膝が痛む「変形性膝関節症」に悩む人は、60歳以上の女性で4割、男性で2割以上いるといわれています。
「ランニングは膝に悪い」というイメージを抱く人も多くいると思います。けれども実際には、関連した研究において「ランナーと一般の方との関節軟骨のすり減りの程度に、差異はない」という結果が多く発表されています。
とはいえ変形性膝関節症を発症させない予防対策、発症後の増悪を防ぐ努力はとても大切。
第一に、変形性膝関節症に大きく関与する体重増加を防ぐことなどが欠かせません。具体的には
適性体重のコントロール
筋力をつける
正しいフォームで膝に負担をかけないランニングを行うことが重要になります。
上手に付き合っていくには、 どの程度のランニング距離が良いか?
中高年の男性ランナーを対象とした研究では、月間走行距離が200~250km以上になると、膝痛が増えたり、強くなったりする傾向がある、との報告がいくつかあります。
ですから、
膝に不安のある男性ランナーは、月間走行距離を200~250km以内に留めるよう調整を図ることがポイントになります。
また女性は、軟骨のすり減りが男性よりも進みがちですので、
膝に不安のある女性ランナーは、男性ランナーよりやや少なめの220km以内くらいの月間走行距離に留める方が良いと思います。
変形性膝関節症がありながらフルマラソン4時間3分の
70歳代 女性ランナーの症例紹介
70歳代・女性で、数十年のランニング愛好家。トレーニングをされ、レースにも多く参加されています。
膝の痛みがあり受診。X線で変形性膝関節症の所見 、MRI検査では半月板損傷の所見を認めました。(右写真をご参照ください) このほか外反母趾もあります。
医療処置としては、
膝関節内へのヒアルロン酸注入を実施。
自己ケアとしては、
ランニング後のアイシングやストレッチングを継続。
以上を行うことにより痛みは軽減。さらにその後の大会で、フルマラソンを4時間3分で完走されるという快挙を達成されました。
一般的なイメージで、病院に行くと「走ってはいけません」とドクターストップがかかると不安に思うランナーも、少なくないように思います。
けれども実際にはこのように、適切な処置によってランニングライフを快適に継続し、かつ記録更新を狙うことも可能です。
私もランニング愛好家の一人であり、指導者やランニング用品の専門家との交流も多くあります。
シューズやトレーニング内容のご相談にも応じられますので、痛みを感じたら我慢せずに、お早めにお越しください。
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