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執筆者の写真院長 原 則行

変形性膝関節症①一般の方へ

更新日:2020年7月12日

全国で推定2500万人以上が悩んでいる“ひざ痛” 。 その代表格といえるのが 変形性膝関節症で、クッションとなる(ひざの)軟骨が徐々にすり減ってくるために発症します。 (右下の写真をご参照ください)

軟骨がすり減る原因は、体質、体重の増加、ホルモンの低下、筋肉の弱さ等が挙げられます。


症状としては、初期段階では歩き出しや立ち上がりでの痛み、進行すると歩く時は常に痛くなり、水がたまったりO脚に変形してきます。

一度すり減った軟骨は回復するのは、なかなか難しいのが現実です。今のすり減った状態の中で、ひざの痛みを和らげて上手く付き合っていくこと、これ以上すり減らないように気をつけることが大切です。



日常生活で心がけたいこと

【階段】

階段の昇降運動は、体重の5〜10倍程度の負担がひざにかかると言われています。特に下りは下に落ちる力も加わるため、上りより負担が大きくなります。

  • ひざ痛のある方は、上階から下階への移動は、エレベーターやエスカレーターを使うのが安心です。

  • 階段を上るのは、膝関節への負担が比較的、少ないので、筋力トレーニングとして取り入れても良いでしょう。

【ひざの保護・ひざ周りの保温】

ひざの痛みを和らげる対策として、ひざの保護、ひざ周りを温めて血流を良くするのが効果的です。

基本的には温めた方が良いのですが、例外として、痛みが強い、腫れている場合、20分程氷水などで冷やす=アイシングが必要なケースもあります。

  • サポーターを使うのは手軽で便利です。

  • ひざ掛けの利用もおすすめです。

  • 正座はなるべく避けた方が無難です。

【杖の利用】

杖もひざの負担を減らします。

杖と痛くない方の足で歩くイメージです。

杖が痛い方の足の代用となるため、痛い方の足の負担は少なくなります。 杖と痛い方の足を同時に出すのが正しい歩き方です。



適切な診断治療で進行を防ぎましょう

初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みがとれます。

けれど症状が進むと、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。

【症状が軽い場合】

  • 痛み止めの内服薬や外用薬を使ったり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。

  • また大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行ったり、膝を温めたりする物理療法を行います。

  • 足底板や膝装具を作成することもあります。


【上記の治療でも治らない場合は手術治療を検討】

  • 関節鏡(内視鏡)手術、

  • 高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、

  • 人工膝関節置換術などがあります。

痛みを我慢したり、症状が悪化するまで放置したりせずに、受診されることを推奨します。早期の適切な処置により、痛みのない快適な生活を取り戻すことが可能になります。


次回は、ランナーに向けた変形性膝関節症の話題をとりあげたいと思います。

文末になりましたが、2020年もどうぞよろしくお願いいたします。


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