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執筆者の写真院長 原 則行

脱水症②夏の運動対策

2020年、コロナの夏。オリンピックを始め、予定されていたスポーツ大会のほとんどが中止となりました。

けれど移動を伴わない地域限定大会など、少しずつスポーツ界も動き始めています。またそろそろ本格的なトレーニングに取り組みたい方も、少なくないのではないでしょうか。

今回は、夏の炎天下でも健やかに運動に励むための脱水症対策のポイントを紹介します。

長時間運動で大量の汗をかく場合などには、

低ナトリウム血症に気を付けて

上記は平成18年の北海道マラソンのゴール直前のワンシーン。

読売新聞に掲載された写真の中に、歯を食いしばる私の姿がありました。

マラソンのように炎天下で長時間運動をして大量の汗をかく場合には、水分補給が欠かせません。

北海道マラソンを出走した有力選手に対する調査の一つでは、レース前後で、

  • 体重減少が平均3.2kg

  • 体重減少率は5.2%~8.91%(発汗量に個人差がある)

というレポートがあり、水分補給の重要性が叫ばれています。

大量の発汗により体内がナトリウム不足になった状態で、真水を大量に摂ると血中のナトリウム濃度が極端に低くなり、「低ナトリウム血症」に陥ります。

すると、

  • 全身の倦怠感

  • 吐き気、嘔吐

  • 意識障害

  • けいれん

  • 肺浮腫、脳浮腫

などを発症し、重症化した場合

  • 死亡 

に至る可能性もあります。

2018年開催のロンドンマラソンでは、過去4回フルマラソン参加経験をもつ50代の女性ランナーが、「低ナトリウム血症」を発症。レース後に自宅でけいれん発作を起こして倒れ、心肺停止状態から蘇生したものの、数日間、昏睡状態に陥りました。

彼女はレース中、合計12本以上のボトルのミネラルウォーターで給水、走行中から意識が朦朧とし始めたそうです。


くれぐれも真水の飲みすぎには注意をしてください。


「低ナトリウム血症」を防ぐには、スポーツ飲料や経口補水液などで、水分補給と同時に塩分不足対策をしてください。


もし具合が悪くなってきた場合は、すぐに病院を受診しましょう。

次週は、適切な水分補給の具体的な量などについてお話したいと思います。

#脱水症 #熱中症 #水分補給 #コロナ対策 #きたひろしま整形外科 #我汝会 #原則行 #整形外科

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