3月初めから取り上げているロコモ(ロコモティブシンドローム、運動器症候群)。シリーズ第2回目は、ロコモ予防のためのトレーニング「ロコトレ」を紹介します。
前回のおさらいになりますが、ロコモは立ったり、座ったり、歩いたりすることが困難な身体の状態をいい、その不調を放っておくと要介護に至る可能性があります。
筋力とバランス能力を高めロコモの予防と改善を
ロコモ予防したり改善するための対策は、
筋力やバランス能力など身体能力を高めること
骨・筋肉を健康で丈夫に保つこと
の大きく2つになります。
一つめの対策効果が期待できる体操が「ロコモーション トレーニング(以下、略称ロコトレ)」で、トレーニングは「スクワット」と「片足立ち」の2つです。
安全に行うために、まずは以下の4点をご理解いただくようお願いします。
病気や障害のある方は、始める前に医師にご相談ください。
当日の体調を確認し、体調に合わせ回数をご調整ください。
無理をせず自分にあった方法で取り組んでください。
運動中や運動後に筋肉や関節に痛みを感じたり体調が悪化したりした場合は、すぐに中止して医師にご相談ください。

下肢の筋力をつけるロコトレ①スクワット
足を肩幅よりやや広めに開いて立ちます。
2~3秒間かけて膝を曲げ、お尻をゆっくり下におろし、同じく2~3秒かけて膝をのばしてゆっくり元に戻ります。
※膝がつま先より前に出ないよう注意します。
※支えが必要な人はテーブルに両手をついて行います。
1.2.を5回で1セット。1日3セットを目安に取り組みます。
【ポイント】
息を止めずに深く呼吸をしながら行います。
太ももの前や後ろの筋肉に力が入っていることを意識します。
安全のため、ソファーなど何かつかまるものが近くにある場所で行います。
動画もご参照いただければと思います。
日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモティブシンドローム ガイドムービー」より

バランス能力を鍛えるロコトレ②片足立ち
テーブルや壁の横に背筋をまっすぐ伸ばして立ちます。
右手をついて、右足を上げ1分キープ。
左手をついて、左足を上げ1分キープ。
2.3.左右1分間ずつで1セット。1日3セットを目安に取り組みます。
【ポイント】
転倒しないように何かつかまるものがある場所で行います。
足を上げる高さは、床に足が付かない程度で大丈夫です(足を高く上げすぎるのは危険です)。
動画もご参照いただければと思います。
日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモティブシンドローム ガイドムービー」より
ロコトレは毎日、行うことが大切です。
カレンダーなどにロコトレのセット数などを記録していくと良いでしょう。
血圧や体温など健康状態も併せて記録しておくとより良いですね。
ただしロコモと一言でいっても、程度は人それぞれです。
ご自身に合った安全な方法で、無理せず行うよう心がけてください。
復唱になりますが、痛みが生じた場合は中止して医師に相談しましょう。
できれば日本整形外科学会所属の専門医ロコモ アドバイス ドクターに診てもらうと安心です(当院への受診が可能であれば私・原則行をご指名ください)。
左ボタンより近隣医療機関に所属のドクターを検索いただけます。参考にしていただければ幸いです。
次回はロコモとも深く関わる「腰」や「膝」の痛みや対策についてご紹介します。