咬まれたら即、応急処置をしてから整形外科へ
ペットの犬や猫に強く噛まれたり、引っ掻かれたりした時も、整形外科で治療を行っています。
咬まれたことで身体組織が大きく欠けてしまった場合や出血が激しい場合、骨折しているかもしれない場合は、すぐ救急車を呼んでください。
救急車を呼んだ場合もそうでない時も、とにかく応急処置として、水道水で患部を洗い流すようにしてください。
大量の水を、長い時間かけ続けることが重要です。
消毒は必要ありません。
ガーゼなど清潔な布で傷を圧迫した状態で、整形外科を受診しましょう。
整形外科では、皮膚や筋肉、骨の損傷を確認します。
また動物の歯の残骸が、体内に残っていないことを確かめるため、レントゲン検査などを行うこともあります。
例え傷が小さくても、流水洗浄を行った後、病院を受診することが大切です。
なぜなら動物の唾液には多くの細菌が存在するため、感染に対する予防処置が重要になるからです。
腫れや発熱を発症すると非常に危険
動物の唾液は細菌が多く存在します。
菌の種類やワクチン接種の有無によって、咬まれた人が死に至る可能性もあり得ます。
中には細菌が人体に入っても、無症状で済む人もいます。
けれど体調不良や高齢者など、免疫機能が落ちていると、悪化・重症化しやすいです。ご注意ください。
整形外科では感染症予防の目的で通常、咬傷の処置後に抗生剤などの薬物治療を行います。
時間が経ってから、患部の腫れ、発熱を発症するケースがあります。
感染症が重篤化した危険な状態ですので、一刻も早く病院を受診してください。
また患部だけでなく痛みや痒みなどの症状が全身に出ている場合、ひきつけ・息苦しさなどの症状が出ている場合についても同様に、至急病院に行きましょう。
特に注意が必要なケース
ハムスターに咬まれた時
あまり知られていませんが、ハムスターの唾液がアレルゲンとなり、アナフィラキシーを発症した症例報告があります。
ハムスターに咬まれた後で「息が苦しい」「意識が朦朧とする」などの症状が出たら、一刻を争うので、救急車を呼ぶのが安心です。
人間に咬まれた時
人に咬まれた傷は膿を発生することが多いです。検査の結果、複数の菌が陽性になった場合は、広範囲に効く抗生物質が必要となります。
それでも腫れてきたら、化膿性関節炎を併発し、緊急手術が必要となるケースもあります。ケンカなど人に咬まれた傷にも十分ご注意ください。
犬に咬まれた、猫に噛まれたという時も、整形外科医が力になれます。 早期に受診いただければ、それだけ危険回避につながります。
遠慮せずに受診いただければと思います。