こんな時は整形外科へ④転びやすい時
- 院長 原 則行
- 2021年12月25日
- 読了時間: 3分

例えば、
平坦な場所で転びかけた
小さな段差につまずいた
あと数段で階段を降りきるというところで滑り落ちた
電車の中でバランスを崩して尻餅をついた
といった経験はどなたも一度はあろうかと思います。
それがあまりに頻繁に続くようであると、転倒骨折に至る可能性があります。
特に高齢者は転倒骨折から要介護となる方が多いため、幸い大事に至らなかったとしても、転んだ時点で注意が必要です。
高齢者に限らず骨粗鬆症など骨が弱くなった状態の方が転ぶと、脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折を起こしやすいです。高齢者ですと骨折により歩行困難となり、寝たきり状態になりかねません。
「最近、転びやすくなった」と感じる方は、ぜひ一度、整形外科を受診してください。
転びやすくなる原因<整形外科の領域の疾病など>

■下肢の筋力の衰え
下肢の筋力が弱くなると、転びやすくなります。
特に病気やケガなどで長期に及ぶ入院生活や自宅療養をされた方は、筋力が低下しています。日常生活へ復帰してすぐ、以前と同じ感覚で歩いたり、走ったりすると転ぶ恐れがあります。
■腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア
腰椎の変形や椎間板の問題で神経が圧迫されると、足首や足の指が曲がりにくくなることがあります。
カーペットの端など小さな段差でつまずきやすくなる傾向が見られます。
■骨粗鬆症
骨粗鬆症の影響で背中や腰が曲がることにより、重心が前方に移動し視野が狭くなるため転びやすくなります。
■変形性股関節症や変形性膝関節症
脚がまっすぐ伸びなくなるため前傾姿勢になったり、体の重心が後に寄ったりするため転びやすくなります。
脚の付け根や膝の痛みも伴いますので、整形外科医にご相談ください。
転ばないようにするには、脚の筋肉を鍛え、関節の動きをよくすることが大切です。
転びやすくなる他の要因として下記のような疾病が考えられます。
脳梗塞の後遺症、パーキンソン症候群、認知障害、視覚障害、聴覚障害、起立性低血圧
「転んだくらいで大げさな」と思わず整形外科を受診し、検査を受けて原因を見極めた後、必要な治療を早めにかかるのが良いでしょう。
転びやすくなる原因<改善したい生活環境>
外的要因としては、以下のような環境要因が考えられます。

敷居などの段差
脱げやすいスリッパや靴下
凹凸のある床・滑りやすい床
手すりのない玄関や階段、浴室
足もとが暗い、見えにくい
カーペットの端
電源コードなど障害物
高さの合わないベッドや椅子
日ごろ住み慣れていない環境の場合、転倒リスクはより高くなります。
年末年始に親族や知人の家などを訪問予定のご高齢者は、「転ぶかもしれない」という危機感を持ち、できるだけ対策をするよう心がけると安心です。