擦り傷(擦過傷)・切り傷(切創)も整形外科へ
整形外科というと、骨折でかかる診療科というイメージが強いようですが、擦り傷(擦過傷)・切り傷(切創)も整形外科で扱います。
整形外科は、運動器※の疾患を扱う診療科で、四肢から脊椎、骨盤に至るまでの外科手術を行います。四肢などに負った体表の傷の治療には精通しております。
※運動器とは、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称。
転んで膝や肘を擦りむいた時は、整形外科を受診してください。
見た目には浅い傷に見えても、打撲や捻挫、骨折、脱臼などの可能性は十分考えられます。
必要に応じてレントゲンやMRIで検査を行い、問題がないかどうかを確かめておく、問題があれば迅速な処置が必要です。(写真は当院の解放式MRIです)
また傷が深い場合は、神経や腱への影響も考えられます。
例え浅い傷であってもブドウ球菌やレンサ球菌などによる感染症の心配があります。
いずれの場合も、正しい診断と適切な治療を受ければ安心です。
さらに家庭での正しい手当てを教えてもらい処置していくことで、患部が早期に治癒し傷跡も残りにくくできると思います。
傷口はすぐ流水で洗浄を
応急処置としては下記の通りです。
傷口に入り込んだ砂や泥などを、水圧で洗い流すようにしてください。
流水で取り除くことが難しい場合は、そのまま病院へいき医療処置のプロに任せましょう。
出血している場合はガーゼやハンカチなどで圧迫止血をした状態で、受診されるとよいでしょう。
受診前の応急処置は以上で十分です。
重要点は消毒をしないことです。
消毒すると、患部を再生させるために必要な成分まで殺してしまい、治りが遅くなります。応急処置は流水で十分であるというのが、現在の家庭医学の常識となっています。
今後、数回にわたり、整形外科を気兼ねなく受診して欲しいケースを紹介して参ります。