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執筆者の写真院長 原 則行

ジュニア選手のケガ予防⑰すり傷の処置


2023年11月に開催されたさっぽろジュニアアスリート発掘育成事業公開研修会「ジュニア選手のケガ予防」の内容をお伝えするシリーズも、今回が最終回となりました。

テーマは「すり傷の処置」です。


すり傷皮膚表面が摩擦によって損傷した外傷です。

野球やサッカーにおけるスライディング、予期せぬ転倒接触など、競技不問で負傷しやすいスポーツ外傷の一つといえます。

受傷直後の処置がとても大切で、不適切な処置によっては回復が遅れることもあります。


すり傷の治療の三原則は、右の通りです。

過去においては「消毒をする」「ガーゼを当てる」「傷を乾かす」という処置が一般的に行われてきましたが、これらはむしろ回復の妨げになる可能性が明らかになっています。


① 傷を消毒しない理由は右の通りです。

消毒をしない方が傷の治りは早いのです。


② 傷を水道水で洗い流す理由は右の通りです。

土や砂などの異物を水道水で洗い流せば、傷が化膿する可能性は低いです。


③  傷を乾かさない(ガーゼを当てない)理由は右の通りです。

すり傷は適度に湿らせた環境で治す方が、傷跡も残りにくいです。



ただしすり傷といっても度合いは様ざまで、セルフケアのみでは不十分なケースもあります。

  • 傷が深い、広い範囲に及んでいる

  • 出血が止まらない

  • 治りが悪い、膿うみが出てきた 

という場合はできるだけ早めに整形外科を受診しましょう。



最後にスポーツ時のケガ全般で良く聞かれる質問「どういう時に病院を受診すればよいか」に対する私の見解を紹介し、シリーズの締めくくりとします。

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