昨年末よりブログのための時間確保が難しく更新が滞りがちです。
もし更新を楽しみにしてくださっている方がいらしたら、お待たせをして申し訳ございません。
気長にお付き合いいただければ幸いです。
さて研修会「ジュニア期に起こりやすいケガ」を抜粋紹介するシリーズ4回目のテーマは、すねの痛み「オスグッド病」です。
オスグッド病は写真のように膝の皿の骨(膝蓋骨)の下の脛骨粗面が徐々に突き出し、腫れたり熱を持ったりして痛みを生じます。
膝を伸ばす運動が繰り返され大腿四頭筋によって脛骨粗面が引っ張られ、脛骨粗面の成長線に過剰な負荷がかかり、成長軟骨部(骨端軟骨)が剥離することで発症します。
走ったり、跳んだりするスポーツの選手、中でも男子に多いのが特徴で、男子は中学1年生がピークです。
運動中に痛みが出やすく、運動を休むと痛まなくなるのがほとんどです。
また普通に歩いている時には痛くないというケースも多く診られます。
成長終了までうまく付き合うことが重要
オスグット病は成長期の一過性のもので、治療は保存療法が基本となり、痛みを悪化させないよう成長終了までうまく付き合うことが重要です。
■運動量の調整
脛骨粗面の炎症が著しい急性期には運動をいったん休むようにします。
そして運動再開後も練習量を減らし、脛骨粗面への刺激を避けるようにします。
■運動後のアイシング
炎症を鎮めて痛みを出にくくする対策としては、練習後のアイシングが有効で、直後に行うのがベスト。
紙コップなどで氷をつくり、氷面を脛骨粗面にあててマッサージするアイスマッサージもお薦めです。
アイシングは15分ほど、皮膚の感覚がかなり鈍くなり表皮が赤くなるくらいまで行いましょう。
■大腿四頭筋のストレッチ
大腿四頭筋の柔軟性を高め脛骨粗面を引っ張る力を少なくすることは、痛みを和らげるだけでなく予防にもつながります。
練習の前後はもちろん、入浴後や就寝前など、こまめに行うとより良いでしょう。
また大腿四頭筋をはじめ筋肉は疲労がたまると固くなりがちです。
お風呂に浸かり、その日の疲労をその日のうちに解消する入浴の習慣をつけることはすべてのスポーツ障害の予防になり得ます。
■膝下バンド(サポーター)を装着
膝の皿を固定するバンドを装着することで、成長軟骨部への刺激を緩和します。
発症後、数カ月間はバンドを到着して練習をするのが望ましいでしょう。
オスグッド病の痛みは骨が成長している証
オスグッド病は努力家のジュニアアスリートに発症しやすく、通常は保存療法で治癒しますが、自己判断や放置はタブーです。
早い段階で検査を受けて他の重篤な疾患の疑いを除くこと、そして適切に対処していくことが必要です。
過去記事でも紹介した通り、私も中学時代オスグット病に悩まされた陸上選手の一人です。 何度かこの話題を取り上げていますので、よろしければご参照ください。
次回は「足首の捻挫」を取り上げます。