ランニング初心者が発症しやすいシンスプリント
すねが痛いランナーさん。その痛みは、シンスプリントによるものかもしれません。
シンスプリントは、脛骨(=すねの骨)の後内足部に付着する3つの筋肉、ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋が、繰り返し引っ張られることで、骨膜にストレスがかかり痛みを生ずるスポーツ障害です。
中高生のスポーツ選手に多くみられる症状ですが、ランニングを始めたばかりの人にもよく起こります。
右図の箇所に普段とは違う痛みを覚え、その痛みが続く場合は、シンスプリントを疑った方が良いでしょう。
偏平足気味のランナーはシンスプリントに要注意
シンスプリントを引き起こしやすい要素は主に過度な運動ですが、他にも下記のような因子が挙げられます。
環境:硬い地面での練習、シーズン明け直後、運動を始めたばかりの時期
装具:薄く硬いシューズの着用
下肢:O脚、回内足(足首が内側に傾いた状態)、偏平足
筋肉:下腿三頭筋(ヒラメ筋肉、腓腹筋)の柔軟性低下
関節:股関節・膝関節・足関節の柔軟性低下および可動域制限
などが挙げられます。
中でも偏平足はO脚や回内足の発生誘因となる可能性が高いので、軽症のうちに治療を進めることが重要です。
他にも思い当たる点があれば、改善に努めましょう。
ご自身で痛みを軽くするには、練習後のアイスマッサージなどが有効です。
アイスマッサージはアイスバッグや氷、保冷剤などで、クルクル小さな円を描くようにして患部をケアします。
時間は10分ほどに留めます。練習前に行うのも、痛みの軽減する効果が期待できます。
手技によるマッサージについては、下記の動画が参考になろうかと思います。
症状の悪化や再発を防ぐにはストレッチが効果的
練習後や就寝前、オフシーズンのメニューの一つに、股関節の柔軟性を高めるストレッチを加えることが、シンスプリントの悪化や再発を防ぐ対策として有効です。
こちらも下記に参考になりそうな動画を紹介しておきます。
知っておいていただきたいのは、シンスプリントは疲労骨折と症状が似ている点です。 ですからMRI検査などで鑑別を行う必要があります。
自己判断で放置せず、気になる方は早めに受診しましょう。
4月中旬からこれまで7記事にわたり、主に中高年のランナーさんに向けた情報を発信してまいりました。
ぜひこれらを参考に、ランニングライフを楽しんでいただければと思います。