変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、膝の中でクッションの役割を果たす軟骨が徐々にすり減り、膝の骨同士がぶつかることで膝に痛みが出る症状です。
軟骨がすり減る原因は、体質、体重の増加、ホルモンの低下、筋力の弱さなどが挙げられます。また加齢によっても、軟骨は劣化していきます。
他に靭帯損傷や半月板損傷など外傷が原因となるケースもあります。
初期の段階では歩き出しや立ち上がり時に痛みが出て、進行すると歩行時にも痛みを感じるように。さらに悪化すると膝に水が溜まったり、O脚に変形したりします。
ある日、突然発症することはないのですが、軟骨には神経がないため滑膜に炎症が起こるまで気づかず、自覚症状がないまま重症化するケースも少なくありません。
しかも軟骨は一度すり減ってしまうと、元のように回復することが難しい組織です。
ランニングと変形性膝関節症に関わる研究
変形性関節症とランニングを含む多角的因子を対象にした大規模調査の一つをここで紹介しましょう。
Hootman(2003)らが5000人を対象に行った、身体活動量と関節症の関係を検証する調査※です。ランニングやウォーキングなどの身体活動の頻度、期間、強度を聴取するとともに、4年、9年、13年において継続的に関節変化を検査しました。
その結果、身体活動量の増加は関節症に寄与していないことが明らかとなりました。
さらに関節症の増悪因子は、高いBMI(=過度の体重増加)や高齢、過去の外傷であると報告しています。
※ Influence of physical activity-related joint stress on the risk of self-reported hip/knee osteoarthritis: a new method to quantify physical activity
前回、紹介した論文と併せても、ランニングが膝にリスクを与えるとは言い切れません。
けれど変形性膝関節症を発症させない対策は、長くランニングを楽しむために大切です。
ランニングにおける変形性膝関節症の予防方法
ランニングでの着地における、膝の負荷を減らすことに尽きます。
それには、
適正体重のコントロール
筋力をつける
正しいフォームで走る
以上3点が重要です。
特に体重増加は変形性膝関節症に大きく関与するので、そのコントロールに努めましょう。
筋力をつけると同時に、基礎代謝を上げ適正体重を維持することにもつながると思われるのが、大腿四頭筋を鍛えるトレーニングです。
具体的なメニューについては、下記のような動画を参考にしていただければと思います。