ランニングは膝に悪い?
- 院長 原 則行
- 2022年4月25日
- 読了時間: 3分
ランニングが膝に悪いエビデンスはなく
ランニングが膝に良いエビデンスはある

「ランニングは膝に悪い」というイメージを持つ人は、少なくないでしょう。
けれども2021年に発表された論文※1では、ランニングが膝の軟骨に短期的または長期的なダメージをもたらすエビデンスはないことを示しています。
この論文は、ランニングが関節の健康にどのように影響するかを理解するため、過去の43件のMRI研究をメタアナリシスによりまとめたものです。
一方でランニングが膝に良好な影響を与えると説くエビデンスはあります。
例えば、2016年に『European Journal of Applied Physiology』で発表された研究※2によれば、ランニングは膝関節の炎症を軽減する効果があるそうです。
2020年には『PeerJ』で、ランニングには膝を保護する効果があり、結果として骨と膝関節軟骨が状況に適応しながら強化されていくとする研究※3が発表されています。
※1
The Influence of Running on Lower Limb Cartilage: A Systematic Review and Meta-analysis
※2
Running decreases knee intra-articular cytokine and cartilage oligomeric matrix concentrations: a pilot study
※3
Medial knee cartilage is unlikely to withstand a lifetime of running without positive adaptation: a theoretical biomechanical model of failure phenomena
以上から、決してランニングそのものは膝に悪いわけではなく、 膝の調子を良好に整える効果が期待できることがわかります。
けれど実際にはランニング中やランニング後、膝が痛くなることはよくあります。
長く快適にランニングライフを送るには、膝を悪くしないように注意する必要があるというのが、実状といえるでしょう。
膝を守りながらランニングを楽しむには
ランニングでは地面などへの着地時に、体重の3~4倍の衝撃負荷が足にかかります。
負荷がかかるからといって、ランニングが膝に悪いということではありませんけれども、

オーバートレーニング
足に合わないシューズの着用
間違ったランニングフォーム
などによって、膝の痛みや怪我を引き起こすケースがあります。
特に気を付けたいのは、疲労回復が十分できていないにも関わらず、距離や時間を増やしすぎたり、強度を上げすぎたりする、いわゆるオーバートレーニングです。
膝を酷使し続ければ、ランナー膝(腸脛靱帯炎)、腸脛靱帯症候群、疲労骨折、膝蓋大腿疼痛症候群などを発症する可能性は大いにあり得ます。
初心者でしたら週1、2回から始めるのが良いでしょう。
経験を積んだランナーであっても休息日を設け、疲れを完全に抜きましょう。
もちろん両者ともに、十分な栄養補給や回復を忘れてはいけません。

年齢が40代より上の方であれば、ランニングをする・しないに関わらず変形膝関節症への注意が必要です。
ランニング中に違和感がある
歩いていて膝に痛みがある
という場合は、早めに整形外科を受診してください。
検査で怪我が発見されれば、軽症のうちに治療ができ早期回復が望めます。
何でもなかったとしても、不安やストレスなくランニングを楽しめます。
痛みも不安も小さなうちから。ぜひ整形外科医を頼りにしていただければと思います。