新しい年を迎え、北の大地は雪に覆われた白銀の世界が広がっています。
昨年中は当院に多大なるご厚情を賜り心より御礼申しあげます。
2025年も患者様に安心してご通院いただけるよう、職員一同努めて参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて寒さが和らいだ日の翌日に強い寒気が流れ込むなどの影響で道路が凍結し、このところ危険な路面状況が続いています。
冬道の転倒に十分お気を付けください。
昨冬の転倒事故による札幌市の救急搬送は過去最多
札幌市消防局 警防部 救急課『令和5年度 雪道の自己転倒による救急搬送概要』によると昨冬(11月~3月)の自己転倒による救急搬送者数は1887人で過去最多を記録しました。
年齢別では70代が458人と最も多くなっていますが、50代も313人と決して少なくはありません。
搬送には至らずとも転倒で負傷した人は、搬送者の数の数倍に及ぶことでしょう。
また冬道で転倒してケガをする人の割合は全体の39%、約4割に及ぶとの調査報告※1もあります。
この調査報告では「転倒してケガをした人」の33%、約3割は「病院に行かなかった」と回答しています。擦過傷や挫創(すり傷)や軽い打撲(うち身)では、救急搬送はもとより受診しない方も多いようです。
確かに軽傷の場合は数日から数週間で自然に治癒することが多いです。
患部に出血を伴わないと軽く考えられがちですが、実は骨折していたり、皮下の組織にダメージを及ぼしていたりする症例もあります。
特に60代以上の女性は骨粗しょう症の割合が高く(詳細は過去記事「骨を強く健康に①骨粗鬆症とは?」をご参照ください)、わずかな衝撃でも骨折に至る方が少なくありません。
腫れや痛みがひどくなったり、吐き気や頭痛を催したりする場合は絶対に軽く考えず、できるだけ早く医療機関を受診するようにしてください。
手に荷物を持たない、急がない行動パターンで 転倒によるケガを防ごう
冬道での転倒時の行動パターンの調査結果を示した資料(※1より)によると、手に何かを持っている状態でケガにつながる割合が多くなることが伺えます。
また急いでいるとケガをしやすい傾向があることも見てとれます。
荷物はリュックなどに入れて両手を空けておくこと
時間に余裕をもって出かけること
も、転倒事故によるケガ抑制に有効といえるかもしれません。
その他の転倒予防の具体的な方法や、万が一転んでしまった時の対処法は、過去記事をご参照いただければ幸いです。
最後に転びにくい歩き方や滑りやすい場所を知って対策し、転倒事故を防ぐ注意喚起の動画を紹介します。 どうぞこの冬もケガなくお健やかにお過ごしください。
※1 2023-24年冬期の冬道での転倒事故について(その3)―冬道での転倒者を対象としたアンケート調査からみる転倒時のケガと行動等― 冨田真未,金田安弘,永田康浩 氷雪研究大会(2024・長岡)
※2 骨のカルシウム分(骨量)が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気