膝の痛みが強い時は、我慢せずに薬を使って
前回は変形性膝関節症の治療法の一つ運動療法をとり上げ、冬も適度な運動を習慣化することを推奨しました。
そうはいっても、膝がひどく痛む時には我慢をせず、薬の効果で痛みをとったり炎症を鎮めたりする必要があります。
薬物療法には、右表のとおり、外用薬、内服薬、座薬、注射があります。
いずれも抗炎症作用や鎮痛効果のある薬効成分が用いられています。
予防のためではなく、痛む時に使うのが基本です。
一般的に処方されることの多い外用薬(貼り薬)、内服薬(飲み薬)、座薬の特徴は、以下の表の通りです。
それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、ご自身の症状に合わせ適切に使用していきましょう。
市販の湿布薬は、 温感タイプor冷感タイプどちらが効きますか?
患者様から、よくある質問です。
結論から言いますと、どちらでもお好きなタイプをお選びいただければよろしいでしょう。
実は両者にそれほど温度差はありません。
異なるのは主に、冷感がメントールやハッカエキス、温感がトウガラシエキスという成分で、要は冷たく感じるか、温かく感じるかが異なるだけ。
両者とも痛みや炎症を抑える有効成分としては、大差ありません。
もし使い分けるとするのなら
運動後や腫れのある時=冷感タイプ
落ち着いて腫れのない時=温感タイプ を選ぶと良いと思います。
膝を傷む時には、膝を冷やす?温める?
本当に冷やしたいなら=氷・保冷剤・冷やしたタオル
本当に温めたいなら=湯たんぽ・カイロ・熱したタオル・入浴
などの方法で冷やしたり、温めたりすることになるのですが、
さて「膝痛を軽くするのに、実際に冷やすのと温めるのと、どちらが良いのですか?」と聞かれることも多々あります。
痛みや腫れの強い時、運動後は 冷やしましょう。
代謝を低下させることで炎症を沈静化させ、腫れが抑えられます。
軽い痛みや特に痛まない時は 温めましょう。
血行が増進されることで、組織が活性化され筋肉が柔らかくなります。
以上の通り、私はお答しています。
膝の痛みをご自身でケアするための参考になれば幸いです。
次週は、薬物療法のうち病院で行う「注射」について、ご説明していく予定です。
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