ウィズコロナ時代の健康③一般のジュニアに向けて
新しい生活様式における子どもたちの身体の発達や発育に対する影響は、非常に深刻です。
小中学生の子どもを持つ20代〜50代の保護者1000人(父親・母親各500人ずつ)を対象とした「新型コロナウイルスによって変化した子どもの生活実態」調査で右表の報告があります。
●外で遊ぶ時間が1年前より 4割以上減っている。
●1日に1度も外に出ないで 太陽の光を浴びない小中学生が、 2人に1人以上いる。
また報道によると
鬼ごっこ中に転んで骨折
登下校するだけで疲れる
学校の階段で転びそうになった
体育の授業がこれまでよりつらい
という報告もあります。
懸念されているのが、筋力低下により引き起こされる「ロコモ」です。
“ロコモ”とは?
「ロコモ」とは「ロコモティブシンドローム」の略称で、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。加齢や運動不足などにより筋肉や骨、関節の機能が落ち、「歩く」「立ち上がる」など、移動能力が低下した状態を指します。
「ロコモ」になるのは「高齢者」と思われがちですが、年齢に関係はありません。
筋肉は正直で、子どもでも使われなくなると筋力が低下してしまいます。
また、日光に当たることで作られるビタミンDは、骨を丈夫にする働きがあります。
太陽光を浴びなくなっていることから、骨も弱くなっていると考えられます。
実際、ちょっとしたことで骨折してしまう子どもが、増えているように思います。
そして大脳の働きは運動によって活性化します。
ジュニア期の運動不足が、脳の発達に悪い影響を与える可能性も否定できないのです。
子どもロコモを防ぎ、骨を強く、大脳を活性化させるため 毎日、少しでも運動を
文部科学省の幼児期運動指針(2012年)では、毎日合計60分以上、体を動かすことを推奨しています。
けれど、1日1時間の運動を継続するのはなかなか難しいでしょう。
短い時間でも構いません。とにかく毎日、体を動かすことが大切です。
家の中であれば、ラジオ体操を家族でやるのもいいと思います。
雑巾を使った床拭きや窓拭きも運動になり、家もキレイになって一石二鳥ですね。
そして外に出て太陽を浴びましょう。
もちろん感染症対策をきちんとすること、密にならないことが前提です。
また初夏から残暑が過ぎるまでは、熱中症の対策も欠かせません。
早朝や夕方の散歩、買い物、経験者が家族にいるなら軽登山やハイキングもいいと思います。
下記、スポーツ庁の資料もぜひ参考になさってみてください。
今まで運動をしなかった人が急に運動を始めると、ケガをしやすいです。
いきなりハードなことはせず、できそうな範囲で取り組んでください。
次回は、スポーツに取り組んでいるジュニア選手に向けた「ウイズコロナの健康」についてご紹介したいと思います。