肉離れ予防の対策として、日ごろから以下の点を心がけるようにしましょう。
【筋肉の柔軟性を保つ】
股関節を重点的に、下肢全体の筋肉に対して行います
プレー前のウォーミングアップだけでなく、プレー後のクールダウンも重要です。
一般的にイメージする静的ストレッチ(時間をかけ、じわじわ伸ばすストレッチ)に加え、動的ストレッチ(アクティブストレッチ、弾みをつけて筋肉を伸ばすストレッチ)を組み合わせて行いましょう。
※福島千里選手(陸上女子100m日本記録保持者)が所属する北海道ハイテクACでは、動的ストレッチングを重視し、静的ストレッチングはほとんど行っていません。
【筋力や持久力を高める】
ハムストリング(太ももの裏側)は、大腿四頭筋(太ももの前側)より6割以上高い筋力が必要だとされています。ももの前面も裏面も、バランスよく鍛えることが大切です。
練習の後半になるほど疲労が蓄積し、肉離れのリスクが高まります。筋持久力をつけておくことも、予防になります。
【適切なフォームに改善する】
接地時に下腿の振り出しが大きいと、ハムストリングの肉離れが起こりやすくなります。
理想は、下腿の振り出しを小さく、重心の真下に設置するフォームです。改善を心がけましょう。
【適切なメニューを組む】
強度の高いトレーニングは終盤に行わないなど、練習メニューの組み立て方についても工夫する必要があります。
【リカバリーに努める】
プレー後のアイシングやマッサージ、温冷浴などで、筋肉の疲労を除くようにします。
筋肉のダメージ回復に効果が期待される栄養素(必須アミノ酸BCAA、タンパク質、ビタミン等)を、積極的に摂ると良いでしょう。
総合栄養食であるプロテインは、運動後30分以内に飲むことで、摂取した栄養素が筋肉再生に使われやすくなると言われています。
現実問題、肉離れの予防は非常に難しい
十分にウォーミングアップをし、ストレッチを入念に行っても肉離れを起こす人もいます。調子が良かったのに起こってしまう人もいます。
全般的にいえることは、オフからオンへシーズンが切り替わる時期、久し振りにスポーツをしている最中に起こりやすいということです。
前兆として筋肉の張りや違和感、硬さを感じる方も多くいます。
こうしたサインを見逃さず対処できれば、肉離れを未然に防くことが可能です。
「何かおかしい」と感じたら、いったん運動をやめ、ストレッチをして左右差など、違和感のある部位をチェックしましょう。
もし筋肉を伸ばした瞬間に痛みが走るようなら、そこで運動をストップします。
今年はコロナウイルス感染の影響で、練習が十分にできなかったり、大会が中止になったり、状態をベストに持っていくのが非常に厳しいシーズンだと思います。
久しぶりにスポーツする方は、先に述べた予防対策を十分に心がけ、ケガなく運動を楽しんでください。
次回は肉離れを起こしてしまった場合の対応、復帰についてお話したいと思います。
#膝 #膝痛 #変形性膝関節症 #半月板損傷 #オスグッド病 #疲労骨折 #整形外科 #北広島 #きたひろしま整形外科 #我汝会 #原則行 #肉離れ