骨と靭帯との摩擦により痛みが発生
膝の外側が痛む時は、腸脛靱帯炎が考えられます。別名ランナー膝とも言われることからわかるように、ランナーに多くみられる障害の一つです。
腸脛靱帯は、骨盤から大腿骨を通って膝の外側=腓骨に至る、薄い膜状の組織です。膝の外側、大腿骨には外側上顆という骨の突出があり、その表層を腸脛靱帯は走行しています。(右図を参照)
運動により繰り返される膝の屈伸で、腸脛靱帯が外側上顆と摩擦し続けることによって痛みが生ずるのが、腸脛靱帯炎です。
徒手検査で診断
類似症例との区別が重要
診断は、医師による徒手検査法を用います。膝を曲げた状態で外側上顆部の腸脛靱帯を押さえ、膝を伸展して痛みを確認します。
レントゲンでは著明な変化は見られず、MRIでも特徴的な所見はありません。
そして、膝の外側の痛みがすべて腸脛靭帯炎とは限りません。
中学生・高校生なら疲労骨折、中高年なら外側半月板損傷というケースもあります。
また稀にランナーやスポーツ愛好家ではない人でも、腸脛靭帯炎になる場合もあります。
自己判断をせず、スポーツに精通した医療機関での検査、診察をお勧めします。
治療とリハビリ
ランニングなど運動量の軽減
運動後のアイシング、湿布の使用
消炎鎮痛剤の服薬
局所注射
超音波などの物理療法
大腿筋膜張筋など股関節外側部を主としたストレッチの強化
O脚など下肢のアライメント改善を目的とするインソールの使用
上記の治療に加え、必要に応じて、シューズや練習方法、練習場所のチェック、アドバイスなども行います。
一定期間、治療・リハビリに取り組んでも痛みが改善しない場合、手術が必要となることもあります。
再発することなく競技に復帰するためには、無理のない治療計画を立てることが重要です。
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