まずはブログの更新が前回から半月以上経過しましたことを、お詫び申し上げます。 不定期ではありますが、今後も継続していく所存ですので、気長にお待ちいただければ幸いです。
さて骨や筋肉の健康と「食」の関連性について紹介するシリーズ3回目。 朝食にスポットを当てて、朝食を摂ることによる好ましい影響について紹介します。
朝食欠食が 全世代で増えている
スポーツ庁が小学校5年生と中学校2年生を対象に実施した令和5(2023)年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、朝食を全く食べない・食べない日もある近年増加の傾向にあった朝食欠食はさらに増加しています。
「毎日食べる」との回答は男女とも平成20年度以降で最も低い結果となっています。
また農林水産省が20代以上に実施した「食育に関する意識調査」(令和5(2023)年11月実施)では、朝食を欠食する人(「週に2~3日食べる」及び「ほとんど食べない」)の割合が、全体で15.0%、特に20代・30代の若い世代では28.3%という高い状況にあります。
朝食を食べないという傾向は、世代を問わず近年さらに増加している模様です
朝食には以下のような役割があります。
エネルギーを補充する(脳や身体が活動できる状態に整える)
体内時計をリセットする(生活リズムを整える)
体温を上昇させ、排便などの新陳代謝を促す
栄養を補給する(骨や筋肉をつくる)
つまり朝食を抜くということは、朝食を摂ることによって得られるはずの効果が得られないと言い換えることができるでしょう。
朝食を毎日食べる児童生徒の体力合計点は高いことが確認
さらに令和5(2023)年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から、朝食摂取と新体力テストにおける体力合計点との関係を考察しますと、毎日朝食を摂取する児童・生徒の体力合計点は、それ以外に比べて高いことが確認できます。
さらに、朝食摂取の頻度が高いほど体力合計点が高い傾向にある点も明らかです。
上記の結果のみを見れば、朝食を摂取すれば体力・運動能力が高くなるという結論を導くことも可能です。けれど朝食を食べることが体力・運動能力の向上に直結するという考えは、極論であろうかと思います。
「体力テストの実施日だけ朝食を食べても、記録が良くなるわけではない」ということは、言わずとも知れていると言えましょう。
とはいえ朝食で一日を始める習慣が身に付いていることが、運動や睡眠など他の活動的な生活習慣に影響し、巡り巡って体力や運動能力の向上につながっているということは確かだと考えられます。
できることからできるだけ
朝食の習慣付けを
成長期の子どもにとって、朝食を摂ることの意味は重要であるといえます。
けれど「時間がない」「食べる気がしない」などの理由から朝食をまったく食べる習慣のない人もいることでしょう。
そういう方は、まずバナナ1本、お茶漬け1杯、ヨーグルト1コで良いので、例え10分でも朝少しだけ早く起きて何か少しでも食べるよう心がけてほしいです。
また加齢とともに食が細くなって1日の食事量が減ってしまうシルバー世代の方々も、朝食抜きは好ましくありません。
筋肉が痩せるフレイルや骨が弱くなる骨粗しょう症など健康面はもとより、栄養不足で肌が衰えがちな美容面への悪い影響が考えられるからです。
ご飯に納豆をかけるだけの納豆ご飯、卵をかけるだけの卵かけご飯など、かんたん手軽に食べられる朝食メニューを少しでも摂るようにしていただければ幸いです。
もちろん骨や筋肉をつくる栄養素のタンパク質やカルシウム、各種ビタミンなど、栄養バランスを考えることも大切です。
けれど私個人としては、初めからパーフェクトをめざして挫折してしまうよりは、少しでもできることからできるだけ、という気楽な気持ちで朝食摂取を習慣にしていただければと思っています。
次回は日本食のメリットをとりあげます。