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骨と筋肉Q&A⑥「筋肉」と「酢」


「骨と筋肉Q&A」6回目は「筋肉」にまつわる風説を取り上げます。

Q.“お酢を飲むと身体が柔らかく   なる”というのは本当ですか?
A.いいえ、お酢を飲んでも身体は柔らかくなりません。

お酢と筋肉の柔軟性との間に因果関係はありません


「お酢を飲むと体が柔らかくなる」という話、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

残念ですが、これは科学的根拠のない風説に過ぎません。


料理においてはマリネなど、肉や魚を酢に漬け込んで柔らかくする調理法があります。

これは肉や魚を低pHの状態にすることで、筋繊維の間に水分が入り込む隙間ができ、保水性が高まる働きを応用したものです。

またタンパク質分解酵素の働きも活発になり、筋繊維の結束が弱まって軟化が進むのです。


上記の料理と同じ理屈が、人間の筋肉にも当てはまるのか?といえば、否

なぜなら、飲んだお酢は内蔵で分解・吸収され、お酢そのものの状態で細胞には行きわたることがないからです。

つまり料理で効果を発揮したお酢の効果が、筋肉に作用することはあり得ないのです。


筋肉の柔軟性を高めるには、やはり適度な運動とストレッチを継続して行うことが必要です。



何事にも“楽な近道”はなく、“継続は力なり”ということですね。




健康に関与するお酢の効果は多々あります


ただしお酢には様々な健康効果があり、近年メティアでも多く取り上げられています。

そのいくつかを、以下にご紹介します。

●便通の改善

お酢には胃酸の分泌を促す作用があり、さらに腸を刺激し、ぜん動運動を活発にするといわれています。

酢酸には腸内の悪玉菌の増殖を抑えるなど、腸内環境を整える効果があります。


●疲労回復サポート

アミノ酸とクエン酸が、疲労回復のスピードを速めてくれます


●内臓脂肪を減らす

酢酸には脂肪の蓄積を抑える働きがあります。

クエン酸には体内の脂肪をエネルギーに変えて消費する働きが、アミノ酸には脂肪の燃焼を促す効果が期待されています。

約15mlの食酢を毎日摂取することで、血中総コレステロールが低下するという研究報告※1もあります。

※1「Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects」

(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry73(8):1837-1843 2009)


●血圧を下げる

毎日大さじ1杯(15ml)のお酢を飲むことにより高めの血圧が下がったことが、食品メーカーの研究※2で証明されています。

※2「食酢配合飲料の正常高値血圧者および軽症高血圧者に対する降圧効果」(健康・栄養食品研究 6(1):51-68 2003)


●ガン抑制効果

京都大学等の研究※3により、黒酢に含まれる成分には長期間摂り続けることにより、大腸がんを予防する効果があることが示されています。

※3 Extract of Kurozu, a Vinegar from Unpolished Rice, Inhibits Azoxymethane-Induced Colon Carcinogenesis in Male F344 Rats(NUTRITION AND CANSER 49(2) 2004)


以上から「お酢を飲むことは身体に好ましい」というのは間違いありません。

スーパーなどでは、果汁やハチミツなどをブレンドして飲みやすくしたお酢ドリンクもたくさん市販されています。


こうしたお酢ドリンクを愛飲する際には、糖質の過剰摂取にならないよう注意しながら、賢く利用するようにしてください。



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